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CBS JAPAN

- Courageous Brothers and Sisters -

     NO.2 1997年2月発行

★機関紙第一号発行後、早速皆さんから「近況」「体験談」が届きましたので、

紹介致します。★

《 いずみちゃん 》

近況 】やめて5年が経ちましたが、きちんとしたカウンセリングを必要として

     います。 それと結婚しました!! 29歳になります。

 

《 M 》

近況 】11月3日で結婚生活も6年目に突入しました。 今は主人と柴犬2匹

     と楽しく暮らしています。 仕事は忙しいけど、仲間同士(若い独身の

     男ばっかしだよー!)楽しくやっています。

《 T 》(フランス在住)

【近況】

私がキリストの教会を離れてもう8年がたちます。 教会を離れて1年くらいは

よく夢でうなされました。 教会のみんなが天国にむかって華やかな行進をして

いくのを私は列に入れず、あせって見ながら「あぁ私は地獄へいくのだ・・・」

と思っている夢なんかよく見ました。 8年たった今も教会の夢を見ますが、今で

は教会は暗黒のイメージに変わっています。 

 今ではあの時期(教会にいた頃)は、自分に必要だったのだとすら思える心の

余裕すらあります。 もしあの教会に行っていなかったらきっとスピリチャルな

ものに対して「嫌い・暗い・気持ち悪い」という思いしか抱かなかっただろうし。

マインドコントロールで苦しむ人の気持ちなんて想像すらできなかっただろうと

思います。 ただしこれは今、無事に人生に戻れたからこう思えるのであって、

今ももし、あの教会にいて人生を棒に振っていたら・・・と思うとゾッとします。

今ある楽しい毎日に感謝です。

《 Mercy 》

【体験談】始まりはもう12年前になります。ボストンとNYに旅行中に、教会の

     人々との不思議な出会いから、ボストンキリストの教会とかかわって、

     アメリカにいる時から、聖書の勉強を始めて、日本に帰ってきてから

    も勉強を続けて、5ヶ月くらいでバプテスマを受けました。それから

    2年間本当に一生懸命、教会活動をしました。 が、はじめは「神様

    のため」に行動していたのが、いつのまにか、ピラミッド式の教会

    の組織に流され、だんだん、「リーダーがそう言うから」に変わりま

    した。クリスチャンとして「しなくてはならないこと」と「してはい

    けないこと」を、逐一、パートナーに許しを得てからの行動。 

    いわゆる日本の会社組織のような、縦社会で、常に、プレッシャーと

    ストレスを感じていました。「そう感じては罪だ」と自分を責めつつ、ま       

     たリーダーからも、「態度が悪い」と責められて、最悪な状態へ自分

     を追い込んでしまいました。 上の人がすることは、絶対で、話し合い

     にもならず、いつも「信仰のない自分が悪い」という言葉になりました。

     今から思えばかなり無理をしていたと思います。もっと力を抜いていて

     も良かったのかもしれません。

      人間追い込まれると、何をしでかすか分かりません。 

     私も、かなり精神的に極限まで追い込まれました。かなり狂った状態で

     した。 教会を飛び出し、姉妹達と一緒に住んでいたアパートを飛び出

     し、実家には帰れず、知らない男のところへ、転がり込んだりして、

     本当に狂った行動をしたと思います。だけどその時は、とにかく自由に

     なりたかった。誰にも断らず、渋谷に行けること(ただ歩くことだけの

     こと)、パートナーの許可なしで、見たい映画が見れること、好きな本

     を読めること、テレビが見れること、教会以外の音楽が聴けること、好

     きなファッションを楽しめること、すべて普通の人が普通にしているこ

     とがどんなに嬉しかったことか。 外に出て、初めて、世の中が動いて

     いることを知って、ショックを受けました。

      教会を去るとき、リーダーとの話し合いがあって、今すぐにリペント

     (悔い改め)をしないと地獄に行く、と言われました。 

     また、旧約聖書のあるふしだらな女についての章を読まされ、私もそう

     で、将来絶対に幸せになれることはない。不幸な道をずっと歩むだろう。

     また生まれてくる子どもを殺すような母親になる、と断言 されました。

     私は、涙が止まらなかった。 

     そして悔い改めるまでは、教会の兄弟姉妹には連絡をとらないように言

     われました。そして悔い改めのチャンスは今しかない、今、悔い改めな

     いのなら、もう教会には来ないように、と言われました。 

     時間はありませんでした。 本当に、話したい姉妹達がいたのですが

     どうしようもありませんでした。悲しかったです。 それでもこの教会

     は、おかしい。このリーダー達が言っていることは間違っていると思っ

     て、教会に残る気にはなりませんでした。せっかく知った神様に悪くて

     悪くて、でもその教会に留まりたいとは思いませんでした。それから

     数ヶ月して実家に戻り、1年は地獄の日々、5、6年は迷いの時を味

     わいました。家族は何も知りませんでした。 

     世界でたった1人自分が取り残された気分でした。 誰にも言えない。 

     おそらく、誰にも分かってはもらえないだろう。神様、ごめんなさい、

     と何度謝り続けたことか・・・・ 

     私は、その教会から去っても、絶対的に、神様を信じていました。

     聖書も読んでいましたが、どこの教会にも行く気にならなかったのです。 

     「あの教会だけが本当の教会」という間違った教えの、思いこみのせ

     いです。「悔い改めをすること」イコール「その教会に属していなくて

     はならない」という考え方です。これがマインドコントロールだと気づ

     くまで、数年はかかりました。 人から言われても、「彼らが解ってい

     ないのだ」と思って、気づかないのです。 安心して相談できる人は誰

     もいませんでした。 

     カルトだ、マインドコントロールだ、とそういった言葉がテレビ・雑誌

     で見られるようになったのも数年後でした。 本当に苦しい日々でした。

      教会で仲が良かった姉妹達も、連絡しないように言われていたのか、

     ひとつも連絡がありませんでした。数年後に数人の人がやめてから解っ

     たことですが、トップの人が、私が結婚してハワイへ引っ越した(実際、

     私から絵はがきがきた、と)との誤情報を流していて、みんな信じてい

     たそうです。1年位してサンフランシスコで大地震が起こりました。 

     教会で仲が良かった女の子が、サンフランシスコへ留学していて、いつ

     も彼女のことを考えていましたが、私が教会をやめたのを知ったら、悲

     しむだろうな、と思って連絡もしていませんでした。が、この大地震

     の時は、別でした。迷わず、すぐに国際電話をかけました。 彼女は 

     たまたま出かけていて、幸い大丈夫で、逆に情報の早さに驚いていまし

     た。また私が電話をしたことをとても喜んでくれました。日本の教会に

     いたときはあんなに愛している、あなたのことをいつも考えている、

     だなんだと言っていたのが、地震の時に、電話をしてくれたのは母親と

     私だけだ、と言って本当に喜んでくれました。その時にわかったの 

     ですが、彼女はとっくに教会をやめていたそうです。彼女も少し遠慮し

     て連絡はくれずにいました。 しかし、私との大きな違いは、彼女は

     すっかり心の傷を癒していたことでした。そして彼女なりの人生を歩み

     だし、他の教会に行ったりしていたことでした。 長いことくよくよし

     ていた私には本当に驚きでした。私は始めて、同じ経験を理解してくれる

     人に巡り会えて、本当に嬉しかったのと、彼女があまりに元気で日常生

     活を普通にしているので、びっくりしました。(その頃、私は朝目が

     覚めれば「ああ、まだ生きている」夜は夜で、「明日も生かせてくださ

     い」と祈る毎日。教会を去るときにリーダーにいわれた言葉が呪い

     のように毎日に私を脅かせていたのでした。) 

      聞けば、アメリカではそういうことは頻繁にあって、「キリストの教会

     をやめた人は今のメンバーの数より多いかもよ」とあっけらかんと一言。 

     そしてそういう人を助けるグループもカウンセラーもいるし、との話。

     本当にびっくりしました。そして彼女がくれたその情報のおかげで、

     それまで1人悩み苦しんでいたところからやっと脱皮できました。

     そしてはやく彼女に会いに行って、自分も早く立ち直りたいと思い、

     半年後くらいに、サンフランシスコに行きました。

     サンフランシスコでは、散歩に行った大学のキャンパスで指差ししなが

     ら、あの子もやめたよ。あの子もやめたよ。 あの人はやめてまた戻

     ったよ。とか・・・とにかく日本でひとりぼっちだった自分に、勇気が

     沸いてきました。自分の心の中の問題が、すべて解決したわけでは       

     なかったけれども、気が楽になったのです。また教会の中では教えても

     らえなかった教会のトップの人達の遍歴やどういう経緯でアメリカから

     ミッショナリーが送られてくるのか、とか詳しいことがやっと分かった

     のです。

     それからの花の20代後半は、波瀾万丈のひとこと。 神様から遠く

     離れましたが、1年前くらい最高に苦しいときがあり、やっと神様を思

     い出すことができ、今はやっと毎日神様と会話する生活に立ち戻

     れて、すべて良いことも悪いことも私を教えるために計画してくださっ

     た神様に感謝できるようになりました。人の言葉に惑わされずに、

     しっかりと自分と神様の関係を保つように努力できるようになりました。

      今は近くの教会へ機会があれば行っていますが、会員になっている

     わけではありません。未だどこかの教会の会員になるのは「怖い」とい

     う恐れがあります。これが13年たってもまだある、カルト経験の後遺

     症です。まだ、時間が必要なようです。

     色々な教会に行ってみて、自分にあった教会を見つけたいと思います。

     一番神様が私に望んでいるのは、いつも神様から離れずに、神様を第一

     に求めることだと思います。どんなに言葉できれい事を行っても、

     神様は私の心の隅々まで全部知っておられるのです。 それが嬉しいです。

     ここまで見守って下さった神様に感謝して、これが少しでも誰かの役に

     立てますように。

《 I 》

近況 】来月で29歳になります。早いものです。教会をやめてから1,2年地

     獄のような日々を過ごしている時に今の夫と出会い、結婚しました。

     もうすぐ5歳になる女の子が1人います。 今は通信制の大学で社会福

     祉を学んでいます。あと時々人材派遣の会社で働いたりしています。 

     今の私の夢はソーシャルワーカーになることです。現在はそのための

     就職活動をしています。(祈るときにはどうぞ私のことも覚えてい

     てね!(笑)) 

      教会をやめてもう8年位経ちます。 あの教会に戻りたいと思ったこ

     とはありませんが、今こうして皆さんの近況&体験談をタイプしていて、

     「あの教会にいたことは私の人生にとって決して無駄なことではなかっ

     た」と思いました。 だって「何があっても、遠く離れていても、友達

     でいられる関係」を持てたんですから。

      現在は近所のプロテスタント系の教会に通っています。礼拝や祈祷会

     に事情があって欠席しても、誰にも責められないし、何より各自の信仰

     を尊重してくれるので、 以前よりずっと神様の恵みを感じています。 

     以前の私は神様を「とても厳しく、私の行いに応じて罰を下す方」だと

     思っていました。だから教会から離れたとき、何か悪いことが私の周り

     で起こると「私の悪い行いのせいだ、正しい教会から離れてしまったた

     めだ」と自分を責めてばかりいました。 

     今は色々な経験を通して、神様が私を愛し、祝福して下さっていること

     を心から感じています。 祈りが必ず通じることも、イエスキリスト

     を信じ、受け入れた人はもう神様から裁かれることがないということも

     分かりました。 神様はどんなに惨めな私でも愛してくれるのです。

      私が弱いから、私が無力だからこそ神様の恵みと力が私の上にあらわ

     れてくれるのです。それがとても嬉しいです。

     キリストの教会にいた頃の信仰は一体何だったのだろうか、と思うこと

     があります。

     私はクリスチャンになって、幸せになりたかった。 シンプルに生きた

     かった。でもいつの間にか「罪を犯さないように」とその事ばかりに気

     を取られて、また教会の人間関係にばかり気を配って、本当に大切

     なこと、神様の無条件の愛や自分らしく、ありのままの姿を神様に差し

     出す、ということを忘れてしまっていました。 あの頃と比べれば今は

     のんびりとした生活をしています。家族で買い物に行ったり、娘と

     テレビ見たり、陶芸を習ったり、卒論書いたり、(これはのんびりで

     はないですが)、福祉関係の本を読んだり、ボランティアをしたり。 

     神様はふつうの生活のなかにこそ存在しているのだと思います。 

     その中で神様と対話ができることを感謝しています。

      今はみんな色々な場所でそれぞれの生活をしていて、難しいかも

     しれないけど、いつかみんなとどこかで会える日が来ることを楽しみに

     しています。温泉とかもいいですね〜。 そのうち企画しましょう。

       みんなに、そして神に感謝して。        

             

現在もマインドコントロールで苦んでいる人、カウンセリングを必要としている

方、連絡下さい。情報を送ります。

 <編集後記>    

 お待たせいたしましたが、ようやくCBS NEWS LETTER 第二号ができあがりました。

 2、3日前、元メンバーの1人が電話で「あの教会での生活は本当に苦しかった、

本当は苦しいときだからこそ兄弟姉妹が頼りになるのに、誰にも(苦しいと)言え

なかった」と言っていました。

本当にそうだなー、苦しいことをそのまま受け入れてくれる人なんて、あの教会に

はいなかったなー、いつも「苦しいと思うのはあなたの罪から来ているのよ、神様

に信頼していないからそんな風に思うのよ」と言われたっけ、と思い出しました。 

 フランク夫妻が指導者になり、また教会が近代的な建物に建て替えられ、私達が

いた頃よりずっと人数が増えているようです。 テレビのロケ現場に教会の建物が

使用されたこともありました。

あの教会の実態を知らない人々が、教会の「外見」だけで興味と関心を持ち、大切

な「とき」を無駄にしてしまうことがないように、と祈らずにはいられません。

そのためには1人でも多くの専門家・関係者・サバイバー達が協力し合い、

ネットワークの輪を広げていくことが必要なのだと思います。

春も近づいて来ましたが、油断は禁物。 ご自愛くださいませ。


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