◆『どう読むか、聖書』 青野太潮 著(朝日新聞社-朝日選書490)
私がこれを読んだのは東京キリストの教会を脱会して間もなくでした。キリスト教や聖書の理解に関し、心の整理に役立った一冊となりました。
「聖書を歴史的・批判的に読もう」というのがこの本のテーマです。聖書の成立背景や文献解釈を丁寧に交えながら「聖書を文字通り信じる」ことが信仰深さや誠実さにそのままつながるわけではないという批判を展開し、そこから「イエスの福音とは何か」を考察しています。
東京キリストの教会では聖書の全体像や背景を教えることはあまりなく、どちらかというと断片的に読んでいくことが多いです。この本はそのような読み方では見えなかった聖書の奥深さを気付かせてくれる手引きとなりました。
東京キリストの教会をやめたばかりで、キリスト教には今後も触れたいけれどすぐに別の教会に通う気にはなれない人には特にお薦めします。厚さが薄いのですぐ読め、値段も1200円と手頃です。こういった本を気軽に読んでみるのもリハビリの一つだと思います。
2002年9月9日記