ヨハン教会の伝道方法の背景・特徴について
筍員として半年間ヨハン教会に関わったAさんの手記
当時、ヨハンの韓国人指導者らは、「ヨハンは、韓国で有名な二つの教会の特徴を取り入れている」と言っていました。それらは、サラン教会の弟子訓練、およびオンヌリ教会のイベント活用(演劇やコンサート活用)です。確かにヨハンの弟子訓練の教材はサラン教会のものを翻訳したものでした。ヨハンのキム・ギュドン牧師とサラン教会の現・牧師であるオ牧師は、学生時代に韓国CCC(Korea
Campus Crusade for Christ)で先輩・後輩の仲であり、オ牧師がヨハンで説教をしたこともありました。
私は、上記のサラン教会とオンヌリ教会を見学したことがあります。その二つの教会は韓国において「健全な教会」として社会的に認められています。そして、確かにヨハンがそれらの特徴を取り入れていることを確認しました。しかし、ヨハンは、学生という同質の階層をターゲットにすることによって、サラン教会の弟子訓練よりも厳格にシステム化した弟子訓練を可能にし、また、若者を「釣る」ためにイベント性を過度に強調した布教活動をしていると思います。
ある韓国人社会学者は、サラン教会が弟子訓練により成長した要因は、その教会が位置するソウル市江南区(カンナム区)が高所得・高学歴階層の異常な集住地区であることに関係していると指摘しています。つまり、サラン教会は、時間に余裕があり学習意欲がある同質の階層を弟子訓練に参加させることにより成長したということです。
ヨハンは学生にターゲットを絞り、さらに、彼らを同質化させています。例えば、平日の日中でも教会奉仕ができるように、新聞配達のアルバイトや教会の近くに集団で住むことを積極的に勧めています。そして、信者がヨハン中心の生活を送るようになっていくのです。
私は夏にヨハン主催のKOSTA Japanという3泊4日の青年修養会に参加しました。富士山麓のキャンプ場で寝泊りしましたが、とてもハードな日程でした。礼拝、賛美、および聖書や教会生活に関する講義が数多く組み込まれ、シャワーをする時間もありませんでした。ヨハンに定着している日本人信者の多くがKOSTA Japanで「救い」を確信したと言っていました。私も参加中に数人の日本人未信者が「救われた」のを目撃しました。ヨハンではKOSTA Japanを絶好の布教のチャンスとしており、信者らは「未信者を3人以上連れて行くこと」といったノルマを与えられ、数ヶ月前から学校やバイト先の友達を積極的に勧誘していました。
また、先生のホームページの掲示板にある体験談で指摘されている問題点を私自身も確認しました。例えば、教会指導者への絶対服従や不適切なキャンパス伝道方法です。しかし、ヨハンの特徴のいくつかは、程度の差はあれ、韓国で成長している教会および日本で成長している他の韓国系教会においても見られると思います。牧師のカリスマ、上下関係、熱心な勧誘など。また自分らを妨害するものは悪魔だとするのも、とても韓国的(韓国シャーマニズム的影響?)だと思います。ヨハンの韓国人指導者は飽くまで韓国キリスト教におけるスタンダードで考えているので、このような問題を指摘されても全く意に介さないのだと思います。
2006年1月18日記