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Tice3

ある学生の筆記ノートからのヨナスによる次のような要約は示唆に富んでいる。(SWV4:2,S.17)「弁証法=思考交換の技法、他者と共に思考の規則的構築にとどまる技法、そこから知が生じる。最初の哲学的学科が、そのような特別な名称を持つことは、驚くべきことのように見えるかもしれない。しかし、その説明は容易である。なぜなら、人が哲学する原理を発見した時、そこまで一般に認められた詩的な哲学行為の自由な構成は、恣意的なものに過ぎなくなってしまった。そこで、これから解放する為にソクラテス学派の対話が台頭したが、それは学問的構築と同一であった。この名称にはまたさらに深いものがある。それがなければ、この名称がこれほど長く有効であり続けることはなかったであろう。すなわち、すべての人における思考と構築の共同性であり、原理と方法の同一性である」。[Tice 1996:7]